美山荘 33.9点
日本料理 (摘草料理)
京都市左京区花背原地町375
075−746−0231
平成14年5月4日 (土)
36,225 円
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京都市内のホテルを出発してから、38号線は鞍馬寺の山門の前を通り過ぎ、車もすれ違えないほど狭くなったり、また広くなったりの山道が続きます。日頃運転をしていない所為もあるし、雨模様で注意をしなければいけないしで、いいかげん嫌になりました。38号線から、さらに国道477号をがまんしながらくねくねとドライブをしていると、果たして、これだけの時間をかけてでかけるほどなのか、市内で、何か他の料理屋に出かけたほうがよかったのではないか、雑誌の評判ほど当てにならないものはないことは良く知っていたはずなのにと反省を始めたほどでした。 ところが、やっとの思いで、市内から約1時間かかった目的地の、大悲山 峰定寺(ぶじょうじ)の元宿坊は若葉の新緑に包まれたこの世とは思えない桃源郷でした。昨夜来の雨に洗われてひときわ緑がまばゆいばかりに輝いています。 美山荘の母屋は築140年、食事と宿泊施設も40年以上経過しているとのことですが、少し場所は違いますが、バリ島ウブドのアマンダリを思い出させます。いただいたのは一人15,000円のコースでした。 傍らの渓流から聞こえる河鹿の鳴き声を聞きながら、まず、アケビの焙じ茶をいただきます。竹で編んだ摘み草かごに入った八寸は栗の木の箸がついてきます。ふきのとう、紅葉笠と山独活、卵の黄身の味噌漬け、ハマグリをいぶしたもの、サーモンを独活でまいたものを串に刺したもの、タラの芽、筍の木の芽田楽、中にこんにゃくの入ったとちもちのアラレ揚げ。鮎の稚魚。 次は箸も替わって白味噌仕立ての汁椀。実は、よもぎの生麩と熊笹の筍。向付けは鯉のあらいを野蒜のすりおろし、鯉の皮の湯引き、板取の茎の飾り切りと水前寺を添えたもの。コゴミの胡桃和え。大きな器に入った鯖の粽寿司。これはおしのぎです。煮物椀は岩魚、ウルイ、焼いた椎茸、茗荷。 アマゴの木の芽焼きと箸休めの山葵の甘酢漬け。焚き合わせは山蕗、わらび、板取、湯葉に筍。野菜の天ぷらは山つつじの花びら、こし油、板取、タラの芽、行者大蒜、こごみ。最後に、山の蕗ごはんと漬物が出ます。デザートは日向なつのゼリー、イチゴ、キウイ、びわに野にんじんの葉が添えられたもの。よもぎ餅とお薄で本当の最後になります。部屋に案内されてからざっと3時間がたちましたがあっという間です。 先代の中東さんの弟さんは銀閣寺通りの「草喰なかひがし」で活躍し、息子さんが美山荘の板場で4代目への修行中だそうです。お部屋も一間づつ改装中で、お茶席の設計と数奇屋大工として活躍する中村外ニ工務店に依頼されているとのことでした。 食後に峰定寺を散策するのも趣向です。美山荘を訪問する前に、女将さんの中東和子さんの文章と、井上隆夫氏の写真で作られた「花もごちそう」(文化出版局)に目をとおして、出かけると楽しみが一層増すことでしょう。 |